日本数式処理学会会長メッセージ

第14期会長 関川 浩(東京理科大学)


2018年6月に第14期の執行部が発足しました.これを機に,歴代会長が就任時に書かれた学会誌の巻頭言を読み返しました.裾野を拡げる,関連分野への浸透や融合,新しい人材の確保に力を入れるなど,いずれももっともで今でも大事なことですが,残念ながら,満足のいく状態になったとはいい難いと思います.

当学会の設立は1992年4月,間もなく27周年を迎えます.設立当時から比べると,自然科学,工学,経済学などの分野で数式処理を利用した研究,教育はあたりまえ,自然なことになって来たといえるでしょう.そのような状況の中で,「日本数式処理学会」はどういう活動を目指して行くのがよいのか.周辺分野でも普通に数式処理を使う時代にどう独自色を出し,周囲とどう連携して行くのか.

設立趣意書にある,「数式処理を媒介として結び付いた多数の研究者・応用技術者・利用者からなる学会を設立し,研究発表・意見交換・情報授受・共同研究企画等の場を共有する意義」,また,「数式処理教育・普及の主体であり,国内外の研究機関あるいは産業界との交流の中核となる組織を持つ意味」を改めて確認し,大会・研究会の開催,学会誌の発行など,基本の活動を着実に行った上で,裾野の拡大,関連分野との交流・連携,新しい人材の確保などについて,地道な努力を重ねていくほかに方法はないように思います.幸い,いくつかの委員会で学会活性化に向けた取り組みが始まっています.会員の皆様もよいアイディアがありましたら是非お知らせください.ご協力をよろしくお願いいたします.

2019年1月

『数式処理』第25巻第1号巻頭言


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